【2968日目】東京大学学生ゼミ「障害者のリアルに迫る」にゲスト登壇



本日は、東京大学学生ゼミ「障害者のリアルに迫る」に、ゲスト講師として登壇して参りました。

駒場よ!私は帰ってきた!!という感じでしたが、久しぶりの駒場キャンパス、私が卒業してから10年でかなり様変わりしましたね。ただ道行く学生の方々のファッションセンスは10年前と全く変わらないところが東大らしさですね。



講義は、60分間私の話+射精介助の現場動画、残りはグループディスカッション+質疑応答という形で進みました。

新しい「性の公共」というある意味ラディカルな概念、東大生の皆様がどう捉えてくれるかドキドキだったのですが、賛否を含め様々なご意見を出して頂き、充実した時間になったと思います!

<参加者の感想(一部抜粋)>
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・障害者の方々が普通の人と同じように性欲を持っているというのは理解していたが、いざ動画を見てみると抵抗を感じた。やはり一種の偏見を持っていたのだと思う。(全文)(文一・2年)

・障害者介助という「大真面目」なことと、性・風俗といった「不真面目」なものが組合わさっているのが面白く、障害者にとっては神の救いの手のようなすごいサービスだと思った。

性欲というのは人間の生活に強く影響を及ぼすことだから、周りの批判的な目もあったと思うが、そこに目をつけたのはすごいと思った。自分がもし障害者に生まれて性欲はあるのに性処理ができなかったら、とんでもなくこじらせてしまうだろうし、性犯罪を犯してしまいうると思う。(全文)(文二・2年)

・「必ず社会の役に立つ」というものの根拠となる経験をぜひ聞いてみたい。それがとければ、「なぜ障害者を支援しなければならないか」というネットの声などに対応出来る。(全文)(理一・2年)

・射精介助について、最初は違和感しかなかったが、利用者本人が納得していること、介助者が排泄等の介助と同等と捉えていることで何か腑に落ちた。一方で性の問題は結婚も含まれるし、射精問題とは必ずしも同じレベルで話せないし…と別のモヤモヤが生まれてしまった。ただし、これらも決して障害者だけの問題ではなく、社会全体の問題であることにまずは気付けてよかった(ほぼ全文)(理一・1年)

・人間の尊厳と性が結びついているというのは分かるけれど、どこまでを満たせばその尊厳は満たされるのか、というのが難しいなと思った。出来ないよりはいいんだけど、射精すれば尊厳が満たされるかは微妙だと思った。自分の感覚から照らすと。(全文)(理一・学年不明)

・日本の風潮としてある我慢の精神みたいなものが、こういった性欲へのサポートへの理解を阻害している原因なのかなと思った。誰にでも欲望はあるし、それに対する障害者自身の理解、障害者の周りの理解というのが特に重要だと思った(一部抜粋)(理二・2年)

・セックスについてまわるタブーのせいで、障害者という物理的にも性から遠ざけられている人たちが、社会的にも性において不利を被っている状況は変えなければならないと思うものの、ビジネスライクな関係を導入するだけでは問題の根本的解決にはなっていないのではないかと思った。(もちろん何も機会がないよりはマシだと思うが)
(全文)(文一・2年)

・私も自分の性と向き合うことに挫折したので、ああ一緒だなと思った。
女性障害者に対する支援はしないのかという疑問は私も持った。坂爪さんがお話してくださったようにゴールがわかりにくいなどの理由ももっともだと思うし、欲している人が少ないし、人によって全然違ったりして、本当にマイノリティで個人に合わせた支援になってしまうので無理があると思った。しかし、こうやってマイノリティが置いて行かれるのかなと思う。現実を理想に近づける仕事は難しいと思う。(全文)(理二・2年)

・僕自身、国も会社も個人もあまりお金が無い中で、社会にほとんど役立たないような重度の障害者にお金を出す価値はあるのか、そのお金をもっと研究や他の社会福祉などの別の方面に回すべきではないのか、というのはよく考えます。温かみがない発想ですが、効率的にはそうですよね。特に射精は、食べる・寝るとは違って、生命の危機につながる物事ではないので、社会の理解が得られるのか、と疑問を持ちました(ほぼ全文)(理三・2年)

・我々が何を問いに設定し、どのようにアプローチしたところで、当事者(障害者だったり、ホワイトハンズの一員だったり…)でないと分からない点が多々あると思った(一部抜粋)(文三・2年)

・全く倫理的ではないと思いますが、まず障害者が当たり前に結婚し、子どもを作れる環境を整備すべきという前提を全力で賛成することはできません。結婚し、子どもを作るということは国家の基盤を作ることにつながると思います。障害者は健常者に比べれば生産者人口になる可能性が低く、労働が出来ず、社会の支援を必要とする人々を積極的に増やすことに賛成はあまり出来ないと思いました。(一部抜粋)(文三・2年)

・障害のある人の性は支援者の性の問題であること、支援者(近親者)が障害者を純粋だと思い込んでしまうことが、自分にとってはあまり無い視点だった。性の視点から障害者を支援することは、理念として納得するがやっている内容が適切かどうかについては懐疑的である。内容が明確に性風俗と区別された理念にかなったものであると主張する根拠が乏しいと思われたからである。また、性を社会問題と捉えることはなんとなく感覚的には理解出来なくもないが、明確には分かっていないし、それは健常者の性も社会問題であることと、障害と健常の境目も現実的に明確に決まっていないことと個人的には感じているので、この支援は障害者だからと特別枠として捉え、支援という形をとるよりも、性に関わる問題の内の一つとして、社会全体で話し、意思決定すべきであると思った。(全文)(理一・2年)

・重度の身体障害をもっていて、射精行為などの性的行為ができない人に対して、その支援を行うことは、障害者の人たちにとっては「生活」の一部を手助けしてもらうようなことで、すごくありがたいことではあると思うし、介助者の側からしてもやりがいのあることだと思う。
しかし、それを例えば政策としてだとか、公共のものにする、というのは社会の人々の根本的な考えを変化させなければ実現しないことであるから、そこまですべきではないように思う。
「性が公共のものになっていない」ことが問題であるとは自分は思えなくてあたりまえのことで、むしろ「公共ではなく私的」であることが「性」の根本性質なのではないかと思っている。
私がそういった経験に慣れていないからかもしれないが、今回の授業のようにオープンに用語も使用して性について議論する、ということには少なからず抵抗を感じる。
こういった私自身の感じたことも含めて、前述したように、射精介助などの活動はあくまで団体内の活動にすべきなのではと思う。(全文)(文一・2年)

・概して賛成出来る点が多く、障害者に普通の生活を送ってもらうためには、こういったサービス、社会認識の変化が重要だと思った。
ただ、やはり性はプライベートなものであるべきだと思うため、パブリックの場で広報するのは少し疑問を感じた。性的情報を見ることで不快に思う人も一定数いると思うし、彼らからするとこのサービスが風俗などと同じくくりとして捉えられ、障害者の性が気分を害するものとして捉えられる危険もあると思った。(全文)(文二・2年)

・「人間は誰でも性の衝動を持っていて」、とあったがそんなことはない。障害を理由に性欲がないと見なし差別することは批判されるべきだが、それを理由に他の属性を無視することもまた批判されるべきだ。『誰でも』ではなく『多くが』だ。
風俗から足を洗って、という表現が嫌いだ。
射精介助自体が社会参加の一種であって、相関はあっても因果はあるのか疑問である(全文)(文一・1年)

・あくまでも「介護」であることを強調して、風俗とは違うと強く主張するのに違和感を感じました。風俗業を下に見ているような感じがして。風俗もある種の人々の自尊心を満たしているのかもしれないというのに。
派遣するスタッフの性別を利用者が選べるとなるとますます「風俗」色が強まるんじゃないかと思いました。単に出来ないことを手伝うのであれば選択の必要はないので。
僕自身はその呼び方の違いに大きな意味を感じないのですが、携わっている方々がこだわっているように感じて気になりました。(全文)(文三・2年)

*****************************

終了後の懇親会でも、東大生の方々と議論&面白いお話を聞かせて頂きました。

ご参加くださった学生の皆様、準備・運営を担当してくださったゼミ責任者の皆様、そしてシアトルにおられるという野沢先生、ありがとうございました。東大、また行きたいのでぜひ毎年レギュラーで呼んでください(笑)。

*********************************
一般社団法人ホワイトハンズ 
 
代表理事 坂爪真吾(さかつめ・しんご)
 
私たちは、「新しい性の公共」をつくります。
 
HP:http://www.whitehands.jp/
Twitter:http://www.twitter.com/whitehands_jp
Facebook:http://www.facebook.com/whitehands.jp
 
新刊『セックスと障害者』(イースト新書)、4月10日発売!

『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、1月6日発売!

★ホワイトハンズ:2016年のイベント予定
 
■1月24日(日) 講演会「障害のある人の生と性のバリアフリー」@町田市民フォーラム

■3月13日(日) セックスワーク・サミット2016春@渋谷

■4月24日(日) 「障がい者の性」基礎研修2016@福岡

■4月24日(日) 福岡で解く!ニッポンの「夫婦の性」のジレンマ2016

■4月25日(月) 『セックスと障害者』(イースト新書)刊行記念対談1@下北沢(坂爪真吾×開沼博さん)

■5月3日(火) 『セックスと障害者』(イースト新書)刊行記念対談2@ジュンク堂池袋(×中村淳彦さん)

■5月15日(日) ららあーと@東京

■5月19日(木) 「障害者の性」講義@東大駒場キャンパス

■5月22日(日) 生と性のバリアフリーフォーラム2016

■5月29日(日) 風俗福祉基礎研修2016@渋谷

■6月9日(木) 『セックスと障害者』(イースト新書)刊行記念対談@八重洲ブックセンター(×上野千鶴子さん)

■6月19日(日) 「障がい者の性」基礎研修2016@渋谷

■6月25日(土) 女性の貧困と性風俗〜風テラス活動報告〜 @新潟市中央区

■7月7日(木) 京大人文研「液状化する親密圏」@東京丸の内

■7月17日(日) 「障がい者の性」基礎研修2016@京都

■7月18日(月・祝) セックスワーク・サミット2016夏@渋谷

■8月28日(日) 「障がい者の性」基礎研修2016@名古屋

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